中国の武漢市から感染拡大が始まった新型コロナウイルス。
驚くほどのスピードで世界中に感染拡大が広がっている。
そして、最も警戒しなければいけのは人口約13億人のアフリカ地域。
国連アフリカ経済委員会(UNECA)は、「アフリカで新型コロナウイルス感染により少なくとも30万人が死亡する恐れがある」と警告している。
何でアフリカが?
日本経済新聞より
まずアフリカの現状をみると、
新型コロナウイルス感染者数は約3万人ほど。
世界中で300万人ほど感染している中で感染は少ない方だと言える。
これは、ウイルス到達が他の国よりも遅く、その時間差がアフリカ各国に空港閉鎖や外出禁止など、先進諸国よりも早い適切な措置を取らせたからだと言われている。
それでも、アフリカにとって新型コロナウイルス感染拡大によって悲劇を生む要因がある。
アフリカにとって新型コロナウイルスがケタ外れの悲劇を生む要因について調べてみました。
①医療体制の脆弱
アフリカは先進国と比べると医療体制が脆弱である。
どういった点が脆弱なのか具体的に調べて見た。
医療器具などが少ない
WHOは、「人口100万人当たりのベッド数は、欧州の4000床に対し、アフリカの国々は5床前後だ」と公表している。
また、アフリカ41か国では、公的医療機関で利用できる人工呼吸器は2000台に満たない。
例えば、
人口2億人のナイジェリアでは人工呼吸器は100台程しかないとされている。
人口1億2千万人の日本では人工呼吸器は2万2千台程ある。
リベリアには5台、南スーダンには4台、ソマリアには1台の人工呼吸器もないのが現状である。
新型コロナの有効なワクチンがない中で、対処療法をする上で人工呼吸器不足は深刻である。
医者の数が少ない
国名 | 医師数 | 国名 | 医師数 |
---|---|---|---|
キューバ | 7.5 | パプアニューギニア | 0.1 |
ギリシャ | 6.3 | コンゴ民主共和国 | 0.1 |
オーストリア | 5.2 | ガーナ | 0.1 |
ポルトガル | 4.4 | ウガンダ | 0.1 |
ノルウェー | 4.4 | マラウイ | 0.0 |
日本 | 2.3 | タンザニア | 0.0 |
エチオピア | 0.0 |
出典:世界の統計2018(総務省統計局)
アフリカは病院の数も少ないが医者の数も少ない。
1000人あたりの医者の数は0.1人もいない国もある。
そんなアフリカは欧州、アジアなどの先進国から医療支援を受けているが、新型コロナウイルス感染拡大により自国の支援でいっぱいになって今、十分な支援が望めない状況である。
病院までのアクセスが遠い
医療体制が整っていない広大なアフリカで、生活圏内に病院があるところは少ない。
村から都市部の病院までに何百キロも離れていることが多いのが現実だ。
しかも、日本のように交通機関が整備されておらず、アクセスが悪い。
そのためアフリカの人々は重症化するまで病院には行かず治療を受けないことが多い。
それにより感染が爆発的に広がる可能性がある。
②貧困による感染リスク
ケニアのナイロビや、南アフリカのヨハネスブルグなどの大都市は経済的に発展しているが、アフリカ全体で見ると貧困に苦しむ人は多い。
アフリカ全人口の約半分が、その日暮らしをして貧しい生活をおくっているのが現実だ。
そんな中、外出禁止や都市部の封鎖など制限をされることで生活自体が成り立たなくなる恐れがある。
南アフリカではすでに国内の失業率は約30%にのぼっている。
先進国のように国が手厚い保障をしてくれるわけでもなく、自分の力で何とか懸命に生きてきたアフリカの人々。
お金が手に入らず飢えて死ぬなら、感染リスクがあるとしても働きに出る人も少なくない。
まとめ
アフリカにとって新型コロナウイルスがケタ外れの悲劇を生む要因について調べてみました。
その結果は大きく分けて2つの要因でてきました。
・貧困による感染リスク
新型コロナウイルスの感染が広がればアフリカでは欧州以上の悲劇を生むことが考えられます。
ただし不安な面以外にもプラスな要因もあります。
それは、
アフリカでは人口の約60%が25歳以下と若年層が多いこと。
サハラ砂漠以南では、新型コロナが重症化しやすい六十五歳以上が3%しかいないことはプラスな面でもあります。
一日も早く世界中が新型コロナウイルス感染に怯えて暮らす日々から抜け出せることを願っています。
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