家の傾きには注意
中古戸建を購入する際に最も注意しなければいけない点は、家の傾き(構造的欠陥)が起こってないかという事です。
他の不具合(給湯器の故障、排水のつまり、扉の開閉不良 等)は、もしあったとしても数万、数十万で対応できますし、不動産仲介業者との保証で対応できる場合もあります。中古戸建を長年使っていれば起こりえる事なので、それほど気にしなくていいと思います。
ただ、基準値を超える家の傾き(構造的欠陥)が起こっていた場合には、物件の価値は大幅に下がりますし、快適に暮らす事は困難になります。
私が家探しをしていて実際にあった事例を次で、ご紹介します。
実際にあった不運な中古戸建
家の近所に、探している予算より1,000万円くらい高い中古戸建が売りに出されていました。
とても買える額じゃないけれど、すぐ近所だし散歩がてら見に行こうということで物件を見に行くことにしました。
家の外観はとても立派な建物で、中は今まで見た物件よりグレードが1ランク上というか、とても豪華な造りでした。
ただ、掃除がまったくされていなく汚い印象で、クリーニングしてから売りに出したら大分印象が違うんじゃないかとも感じました。
仲介業者に聞いた所、売主は別の家を購入し、すでに引っ越しているということでした。
それから、1ヶ月程経ってネットで中古戸建を探していると、この前見に行った近所の中古戸建が1,500万円程安くなって売りに出されていました。
この値引きは、いくら売りを急いでいたとしても通常なら考えられない額です。
さっそく仲介業者に値引きの理由を尋ねてみると、
「実は・・・あの後専門家の調査で、基準値を超える家の傾きが判明しましたので、大幅に価格を下げました。
実際、この値段でも正直売れるのは厳しく、売主もすでに別の家を購入しているので、本当に困っている状況です。」
という、嘘みたいな本当な話です。そんな事ってあるんだな〜と。
そもそも、仲介業者は媒介契約を交わす際に家の調査をしていないのかな?
簡易的に確認して売りに出したのかと、疑問が残りました。
ここからは推測ですが、この中古戸建を購入しようとした人が、専門家にホームインスペクション(住宅診断)を頼んで、家の傾きが発見されたんじゃないかと思います。
そうでなければ、売りに出されて数ヶ月後に、家の傾きが発見される事は考えにくいですしね。
家の傾きに対する対処方法
①携帯の計測機能を使う
携帯に標準機能でついているか、またはアプリに、水平器、水準器ソフトがあるので、それを使って計測をしてみます。
私は、iPhoneに標準機能でついていた「水準器」を使っていました。
携帯をただ床に置くだけで計れるので毎回色々な箇所を計測するのに便利です。
〈傾きの許容範囲目安〉
1メートルにつき3ミリ、0.17度以内
明らかに誤差があったら、専門家に相談する事をお勧めします。
②念入りに自分で物件を調べる
裸足で歩くと分かりやすいのですが、床のきしみ音や、明らかな床の歪みがないかを確認する。
扉が閉まらない、勝手に開閉しないかを確認する。
外壁、基礎のコンクリート、内壁に大きな亀裂が生じていないか確認する。
これらは、家の傾きによって生じる場合があるので、要確認です。
③信頼できる仲介業者から購入する
信頼できるというのは、気持ちの問題ではなく仲介業者によっては、
独自の瑕疵保証※1 をつけている所があります。
通常、中古戸建の瑕疵保証期間は、2〜3ヶ月が一般的ですが、仲介業者によっては数年の瑕疵保証期間を設けている所があります。
こういった仲介業者は中古戸建販売前に専門家に依頼し、ホームインスペクション(住宅診断)をして問題ない事を確認した上で、瑕疵保証期間を長く設定しています。
自信がないとできない事なので、一つの安心材料としては良いかもしれません。
※1瑕疵保証 売買の対象物に隠れた瑕疵(外部から容易に発見できない欠陥)がある場合、売主が買主に対して補修や、場合によっては損害賠償等の責任を負う
④ホームインスペクション(住宅診断)に依頼する
不安な方、確実に安心したい方は、専門家によるホームインスペクション(住宅診断)を頼んで
みると良いです。金額は大体一戸建てを念入りに調査するなら10万くらいが相場でした。
あと、依頼するタイミングが難しいので注意してください。
購入後だと意味がないので、そこは売主、仲介業者と相談なのですが、購入する意思を告げホームインスペクション(住宅診断)をする間、その物件を押さえてもらう。
住宅診断の結果、問題なければ正式に契約する流れが一番理想です。
以上、私が実際に家探しをしていた中で遭遇した中古戸建の家の傾きでした。
これから購入する方、家の傾きには十分注意してください。
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